クラシックから今どきのものまで、
ブレザーだって自由に作れる

文筆家
1978年アメリカ生まれ。2001年ハーバード大学東洋学部卒業。1996年に来日し、日本の出版社でインターンを経験、それを機に日本の服飾文化に興味をもつ。2015年にはアメトラを通して、日本の文化を分析した『AMETORA』を出版。

機能的、ゆえに若々しい
現代的なブレザーを追求
アイビールックの象徴的なアイテムであるブレザー。ビジネスシーンでも着られるようなフォーマルなイメージがありますが、「昔はもっとアスレチックで、カジュアルなイメージでした」とデーヴィッドさんは語ります。
「発祥当時のブレザーは今でいうスウェットパーカのようなもの。スポーツをするときに運動着の上から羽織っていたわけですからね。しかもスクールカラーに合わせて作るので、色も赤、緑、黄、白などさまざまでカラフル。そもそもラフに装うものなんです」
スポーティーであるという出自を知ったうえで生地見本を広げると「フォレストグリーンで、ウールサージを」というご要望が。選んだのはドーメルの 〝ハンプトンズ〟。奇しくもこれはニューヨークの避暑地である同地区から着想を得た、ドーメルのプレッピースタイルを象徴する生地。説明を見ずともこれを選ぶ、さすがの審美眼です。フロントはオーソドックスな段返りの3つボタン、肩はナチュラルショルダーで袖付けはステッチが表に出るシャツ袖、身頃はもちろん3パッチポケット。「ブレザーは機能的であることが重要。背面はフックベントで、頑丈さを担保するというような細部が鍵となるんです。裏地はストライプなど、思い切って遊ぶか迷いましたが、同系色を選びました」 さて、その仕上がりはいかに。
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デーヴィッド・マークス
文筆家1978年アメリカ生まれ。2001年ハーバード大学東洋学部卒業。1996年に来日し、日本の出版社でインターンを経験、それを機に日本の服飾文化に興味をもつ。2015年にはアメトラを通して、日本の文化を分析した『AMETORA』を出版。
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採寸する
袖は肩の上から付けて構築的にすることも可能ですし、下から付けてマニカカミーチャ仕上げもいい選択かと。ダブルブレストでカーディガンのような着流し風のジャケットも作れます。メタルボタンも、クラシカルな紋章入りからミニマルなフラットタイプまでバリエーション豊富に用意。採寸のときに絞りをゆるくして、ボックスシルエットに近づけることもできます。ポケットやボタンのみならず、例えば裏地を明るいストライプで遊んでみたりと、スーツとはまた違ったカジュアルなアプローチで仕立てることでコーディネートの幅もぐっと広がります。

柔らかくロールする
段返りの襟
ポケットは
丸みをもたせて
柔らかい印象に
シェイプはほどよく利かせて
さらっと羽織れるように
袖ボタンは2つにして
軽さを演出
クラシックから今どきのものまで、
ブレザーだって自由に作れるスポーティーで優雅な一着に
仕上がったブレザーは、アイビー的な若々しさとスポーティーな軽やかさを感じる一着に。「例えばダートマス大学であればもっと濃いグリーンなのですが、いま街着として用いるのであれば、これくらい明るいほうが気分ですね。肩まわりや袖付け、シルエットも申し分ない仕上がりです」。最後まで悩んた裏地も、同系色を選んで正解、上品にまとまっています。

ショルダーは
薄く毛芯を入れて
やや構築的に