azabu tailor
メインビジュアル

blazer as uniform 文筆家デーヴィッド・マークス氏と作る一着1964年と今をつなぐブレザー

1964年に開催された東京オリンピック。
今から60年前の開会式、国立競技場に最後に入場してきた日本選手団のブレザーとトラウザーズは、すべて選手ひとりひとりに合わせて作られたフルオーダー品であり、麻布テーラーの前身である「平野屋メルボ工業」の職人たちも参加、日本の象徴である赤と白のブレザーとスラックスを見事に作り上げました。

ここでは、ハーバード大学卒の生粋のアイビーリーガーであり、日本のファッションにも造詣が深い文筆家のデーヴィッド・マークス氏をお呼びして、麻布テーラーでブレザーを仕立てていただきました。スポーツ由来のアイテムであるブレザーは、
エフォートレスな今の時代性にマッチするものであり、それでいて、きちんとした印象も醸せる万能着。歴史もあり、なおかつラフにも装えるブレザーの魅力に、麻布テーラー独自の方法論で迫ります。

クラシックから今どきのものまで、
ブレザーだって自由に作れる

デーヴィッド・マークスさんの写真 W. David Marxデーヴィッド・マークス
文筆家

1978年アメリカ生まれ。2001年ハーバード大学東洋学部卒業。1996年に来日し、日本の出版社でインターンを経験、それを機に日本の服飾文化に興味をもつ。2015年にはアメトラを通して、日本の文化を分析した『AMETORA』を出版。

機能的、ゆえに若々しい
現代的なブレザーを追求

アイビールックの象徴的なアイテムであるブレザー。ビジネスシーンでも着られるようなフォーマルなイメージがありますが、「昔はもっとアスレチックで、カジュアルなイメージでした」とデーヴィッドさんは語ります。
「発祥当時のブレザーは今でいうスウェットパーカのようなもの。スポーツをするときに運動着の上から羽織っていたわけですからね。しかもスクールカラーに合わせて作るので、色も赤、緑、黄、白などさまざまでカラフル。そもそもラフに装うものなんです」
スポーティーであるという出自を知ったうえで生地見本を広げると「フォレストグリーンで、ウールサージを」というご要望が。選んだのはドーメルの 〝ハンプトンズ〟。奇しくもこれはニューヨークの避暑地である同地区から着想を得た、ドーメルのプレッピースタイルを象徴する生地。説明を見ずともこれを選ぶ、さすがの審美眼です。フロントはオーソドックスな段返りの3つボタン、肩はナチュラルショルダーで袖付けはステッチが表に出るシャツ袖、身頃はもちろん3パッチポケット。「ブレザーは機能的であることが重要。背面はフックベントで、頑丈さを担保するというような細部が鍵となるんです。裏地はストライプなど、思い切って遊ぶか迷いましたが、同系色を選びました」 さて、その仕上がりはいかに。

  • 1.形を選ぶ

  • デーヴィッド・マークスさんの写真
    W. David Marxデーヴィッド・マークス
    文筆家

    1978年アメリカ生まれ。2001年ハーバード大学東洋学部卒業。1996年に来日し、日本の出版社でインターンを経験、それを機に日本の服飾文化に興味をもつ。2015年にはアメトラを通して、日本の文化を分析した『AMETORA』を出版。

  • 2.生地を選ぶ

  • 3.ボタンを選ぶ

  • 4.裏地を選ぶ

  • 5.採寸する

袖は肩の上から付けて構築的にすることも可能ですし、下から付けてマニカカミーチャ仕上げもいい選択かと。ダブルブレストでカーディガンのような着流し風のジャケットも作れます。メタルボタンも、クラシカルな紋章入りからミニマルなフラットタイプまでバリエーション豊富に用意。採寸のときに絞りをゆるくして、ボックスシルエットに近づけることもできます。ポケットやボタンのみならず、例えば裏地を明るいストライプで遊んでみたりと、スーツとはまた違ったカジュアルなアプローチで仕立てることでコーディネートの幅もぐっと広がります。

ショルダーは
薄く毛芯を入れて
やや構築的に

柔らかくロールする
段返りの襟

ポケットは
丸みをもたせて
柔らかい印象に

シェイプはほどよく利かせて
さらっと羽織れるように

袖ボタンは2つにして
軽さを演出

クラシックから今どきのものまで、
ブレザーだって自由に作れる
スポーティーで優雅な一着に

仕上がったブレザーは、アイビー的な若々しさとスポーティーな軽やかさを感じる一着に。「例えばダートマス大学であればもっと濃いグリーンなのですが、いま街着として用いるのであれば、これくらい明るいほうが気分ですね。肩まわりや袖付け、シルエットも申し分ない仕上がりです」。最後まで悩んた裏地も、同系色を選んで正解、上品にまとまっています。

来店予約・店舗一覧

麻布テーラーではお客様をお待たせすることなくゆったりとお買い物いただくため、来店のご予約を承っております。

来店予約に進む近くの店舗を確認
25thカタログトップに戻る