ブランド設立から25年、気がつけば生地の取り扱いは約3000種類にまで増えていました。しかし、単に数が多いからオーダーブランドとして優れているということにはなりません。この豊富な生地数はお客さまのニーズをキャッチし、その要望に応え続けた結果と言えます。特に国外の一流生地ブランドの生地は人気も高く、企画困難な別注生地も多く実現されました。そのようにしてお客さまのパーソナルな思いに応えた結果が、約3000種類という数字なのです。
歴史と思いにより実現した
一流生地メーカーとの関係
高級カシミヤやファインウールなどを提供し、世界トップクラスの生地メゾンとして知られるロロ・ピアーナ。同社の協力を得て開発した生地の一つが、ブラックとブルーの独自の柄を用いた都会的なタータンチェック（写真上）。なんとこちらは、スコットランド政府が運営するタータン・チェック協会にて正式認定されたという本格派。さらにはロロ・ピアーナを代表する最高級生地「AUSTRALIS」でも2024年SSシーズンより別注が実現（写真下）。ビジネスマンも着やすいシックな生地を企画しました。
ウィリー・ラヴァッザさん
ロロ・ピアーナ 生地・営業部長
1863年に創設されたハリソンズは、麻布テーラー発足時期からバンチブックの取り扱いがある英国の名門マーチャントです。2013年秋冬には「POLARIS」（写真 右）というしっかりとした打ち込みで英国らしさを表現したフランネル生地を別注し、さらにバンチのリニューアルに合わせて、世界標準の３シーズン用生地として知られる「REGENCY」（写真左）の色柄別注も行いました。しなやかなでエレガントな風合いは、仕立て映えする特徴を持ち、ハリコシのある丈夫な生地が特徴です。
ジェームス・ダンスフォードさん
ハリソンズ ブランドオーナー
英国から毛織物を輸入しフランス国内で販売する生地マーチャントとして1842年に創業したドーメルは、フランスのエスプリとエレガンス、英国の伝統と格式が同居する高級生地ブランドです。耐久性と快適性を備えた名作生地を現代的にアップデートした「Sportex Vintage」（写真左）への別注を皮切りに、毎年数多くの限定生地を企画してきました。その長年の取り組みにより、2017年からは麻布テーラーオリジナルの生地を収録した別注ドーメルバンチ「MINUET」（写真右）を展開しています。
ドミニク・ドーメルさん
ドーメルCEO
ゼニアのようなイタリア高級服地メーカーと2017年から継続して別注生地での取り組みができるのは、その人気が高く多くのお客さまにお求めいただいているからこそ。別注企画は毎シーズンほぼ完売し、特に人気の「14MILMIL14」（写真上）においては、2週間で完売したこともあるほどです。別注生地は毎シーズン、ゼニアから発表されるコレクションを把握し、麻布テーラーらしさとゼニアのトレンドを融合させることで生まれます。2024年AWでは「15MILMIL15」での別注（写真下）を展開予定。
