
最上級の物作り
大量生産ではなく、一着一着を丁寧に仕立てる自社工場での物作り。そして、お客さまの感性に応えるため、海外の一流ブランドとの別注や圧倒的なコストパフォーマンスを感じるオリジナル生地の開発――。
ある程度ビジネスが大きくなれば、効率を重視するのが常ですが、麻布テーラーは、それを良しとしません。それは、創設時から一貫して商売至上主義ではなく、お客さまの個々に寄り添うことだけを追求しているから。その愚直なまでのクラフトマンシップの精神こそが、他社には絶対まねできない麻布テーラーのパーソナルオーダーを生み出しているのです

Factory
価格以上の満足度の秘密はクオリティーの高い自社工場にあり
個々のニーズに応えることができる幅広いカスタマイズ、そして圧倒的なコストパフォーマンスをかなえる秘訣は、国内2カ所に擁する自社工場にあります。オーダーウエアに特化した、日本でも珍しい服作り現場。そこには、妥協を許さないクラフトマンシップが息づいています。
オーダースーツブランドはいまや数えきれないほど存在しますが、自社工場で服作りを行っているのはごくわずか。そのひとつが麻布テーラーで、現在は滋賀県と広島県の2カ所に拠点を構えています。今回紹介する滋賀工場は創設1969年。その歴史は半世紀以上に及びます。最大の特徴は、生産量の99%がオーダー服であるという点。同じ仕様の服をまとめて作る既製服工場とは違い、仕立てる洋服の一点一点がすべて異なるのです。それらをミスなく、かつ品質にもこだわって仕立て上げる秘訣は何か? それは、手間暇を惜しまない職人魂、そして約150人の技術者たちが一丸となって一着を仕立てるチーム力にあります。次ページから具体的に見ていきましょう。
およそ300もの工程を費やして完成するスーツ。パンツの生産を外注する工場も多いなか、麻布テーラーではすべてを自社一貫製作しています。要所となるところには手縫いも用い、本格派の仕立てを継承。

01オートメーションと人の力の融合が
パーソナルを作る
ここで作られるスーツは、すべてが一点モノ。生地も、型紙も、仕様も、ふたつと同じものはありません。どこか一カ所でも間違えば台無し。それを防ぐため、最初に一着一着の仕様をまとめた"レシピ"を出力します。これを職人たちが逐一確認しながら、一着のスーツを仕立てていくのです。約300に及ぶ工程のなかで、何度となく繰り返される人が関わる作業。ファクトリーで腕を振るう職人たちの目と手、そして気持ちが、このレシピを通して共有されていきます。まさに、ワンチームで作る一着なのです。
ここで作られるスーツは、すべてが一点モノ。生地も、型紙も、仕様も、ふたつと同じものはありません。どこか一カ所でも間違えば台無し。それを防ぐため、最初に一着一着の仕様をまとめた"レシピ"を出力します。これを職人たちが逐一確認しながら、一着のスーツを仕立てていくのです。約300に及ぶ工程のなかで、何度となく繰り返される人が関わる作業。ファクトリーで腕を振るう職人たちの目と手、そして気持ちが、このレシピを通して共有されていきます。まさに、ワンチームで作る一着なのです。
02例えば芯地やボタン――
個性に合わせてディテールを変える
麻布テーラーで仕立てるスーツは目に見えないところまで千差万別。服の内側に据える芯地の選択も、お客さまのご要望に応えるためさまざまに異なります。立体美を強調するスーツには肉厚な芯を。軽快さを追求するスーツには極力薄い芯を。レシピを確認しながらストックに手を伸ばし、最適な材料を選びます。それは糸一本、ボタン一つまで同様。一着ごとに、すべての材料を替えていきます。作るのに機械こそ使えど、ちゃんと人の手を使った作業なのです。
麻布テーラーで仕立てるスーツは目に見えないところまで千差万別。服の内側に据える芯地の選択も、お客さまのご要望に応えるためさまざまに異なります。立体美を強調するスーツには肉厚な芯を。軽快さを追求するスーツには極力薄い芯を。レシピを確認しながらストックに手を伸ばし、最適な材料を選びます。それは糸一本、ボタン一つまで同様。一着ごとに、すべての材料を替えていきます。作るのに機械こそ使えど、ちゃんと人の手を使った作業なのです。
03細かい要望や仕上げの部分には
職人の手が欠かせない
いいスーツは、熟練職人の手仕事なくしては完成しません。麻布テーラーでは機械の力を借りつつ、要所では手の技を惜しみなく費やしています。例えば「左肩下がり」など左右非対称な体形補正が行われている場合は裁断の工程から手仕事が入ります。複雑な裁断の対応は、機械任せにできません。また、体へ立体的に沿わせるためのアイロンワークも手仕事でないとできません。仕上げの工程には、手縫いも必要です。すべては、よりよい一着のために。これが、職人たちの共有する信念です。
いいスーツは、熟練職人の手仕事なくしては完成しません。麻布テーラーでは機械の力を借りつつ、要所では手の技を惜しみなく費やしています。例えば「左肩下がり」など左右非対称な体形補正が行われている場合は裁断の工程から手仕事が入ります。複雑な裁断の対応は、機械任せにできません。また、体へ立体的に沿わせるためのアイロンワークも手仕事でないとできません。仕上げの工程には、手縫いも必要です。すべては、よりよい一着のために。これが、職人たちの共有する信念です。
04貴重な機械は自社メンテナンスで
物作りに妥協しない
ここで使っている機械のなかには、年代物ゆえ再びイチから作ることができないものもあります。上襟を縫製するための丸型ミシンもそのひとつ。動かなくなったら替えは利きません。そんな遺産的設備を守るべく、工場の敷地内には機器整備のための建物があり、整備職人も常駐しています。モノを大切に。そんな基本を忠実に貫いているファクトリーだからこそ、お客さまに長く愛される一着を仕立てられるのだ、とも言えるでしょう。「一着一着違う服なので、毎回が挑戦。だから、常に全力で臨める体制を保ちたい」。そう話す工場長の瞳は、まぶしいほどに輝いていました。
ここで使っている機械のなかには、年代物ゆえ再びイチから作ることができないものもあります。上襟を縫製するための丸型ミシンもそのひとつ。動かなくなったら替えは利きません。そんな遺産的設備を守るべく、工場の敷地内には機器整備のための建物があり、整備職人も常駐しています。モノを大切に。そんな基本を忠実に貫いているファクトリーだからこそ、お客さまに長く愛される一着を仕立てられるのだ、とも言えるでしょう。「一着一着違う服なので、毎回が挑戦。だから、常に全力で臨める体制を保ちたい」。そう話す工場長の瞳は、まぶしいほどに輝いていました。
05効率化を実現するため、
最新機器も導入
昔ながらの手仕事を堅持する一方、必要とあらば先端テクノロジーも柔軟に取り入れる。クオリティーを効率的にアップすることができれば、固定観念をもつことはありません。写真は、身頃の内側を正確無比に縫い上げる最新機械。これによって、ファクトリーのパフォーマンスは一段と向上しました。人機一体。適材適所。そんな哲学を掲げながら、創設半世紀超のファクトリーは日々アップデートを重ねているのです。
昔ながらの手仕事を堅持する一方、必要とあらば先端テクノロジーも柔軟に取り入れる。クオリティーを効率的にアップすることができれば、固定観念をもつことはありません。写真は、身頃の内側を正確無比に縫い上げる最新機械。これによって、ファクトリーのパフォーマンスは一段と向上しました。人機一体。適材適所。そんな哲学を掲げながら、創設半世紀超のファクトリーは日々アップデートを重ねているのです。